インデックスに戻る



Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2005年07月のニュース一覧
▼[2005.07.30]テレビが,ある社会
▼[2005.07.28]陽射しと花びらの閃き
▼[2005.07.26]SNSの正しい使い方
▼[2005.07.24]by, only, web.
▼[2005.07.22]次・黙示録
▼[2005.07.20]個人情報流出のキモ
▼[2005.07.18]nExt dIsh
▼[2005.07.16]MP3が,すべてだった
▼[2005.07.14]バカ以外に必要なもの
▼[2005.07.12]DVDA楽日
▼[2005.07.10]ひとつの事件とブログと
▼[2005.07.08]オペラの喝采
▼[2005.07.06]ぃしょ。
▼[2005.07.04]あしたのファイル共有
▼[2005.07.02]痛みと意味

■2005年08月のニュース一覧
■2005年06月のニュース一覧


 
[2005.07.30]
  テレビが,ある社会


 ▼The future of television lies on television, not the Net(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/columnist/andrewkantor/2005-07-28-kantor-future-tv_x.htm


 ほら,こんなテレビなら,あっておかしくない。

quote:アンドリュー・カンター氏のコラム。2週間前に,テレビ局のCBSはウェブ上のオーディオやビデオを増やすと発表した。これは大事と思うかもしれないが,小さなステップでしかない。CBSはCNNが始めた24時間放送に代わるものとして,この新しいオンデマンド放送を売り込んでいる。オンデマンドはネットのやり方だったが,実際のところ,それはネットではもう古くさい存在となっている。でも本当にそれが実現するならありがたいことだ。過去50〜60年間,私たちは自分の都合でテレビを観ることができなかった。外出してたら諦めるしかなかった。遅れてビデオやデジタルビデオレコーダーが現れた。音楽は買っていつでも楽しめるが,テレビがそうなるのもひとつの方法だ。インターネットへの接続ラインが家庭でふたつにわかれ,ひとつがネット接続に,もうひとつがテレビにつながってもおかしくない。MPEG2での配信は衛星やデジタル放送がすでに行っており,DVDと同じ品質にできる。一部の電話会社は,そんなネット接続を利用してのIPTVを提供している。

 過去記事の続きになるが,ある意味もう今のテレビというものは,必要性がない。野球の視聴率が落ちているという問題をよく耳にするが,別に野球がそんなに不人気になっているわけでもなかろう。セ・リーグはテレビがあって初めて球団経営が成り立っていたんだから,テレビの存在感がなくなれば球団経営もうまくいかなくて当然。最初からテレビをあまり当てにしてないパ・リーグは,たいしてなにも変わってないだろう(もともと経営は厳しかったし)。いちばんテレビを当てにしていた野球だからこそ,問題が大きいように扱われているだけで,実際はいまのテレビがそもそももう必要ないということをきちんと認識すべきなのだ。

 では,数年後のテレビはどぉあるべきか? たとえばある企画会社がドラマでもアニメでも映像作品を作り,それを商品化してDVDを売りたいと云う場合,いまだったら宣伝も兼ねてテレビ放送を前提として企画される。だが,その時点ですでに前時代的な作品にしかならない。もし,ウェブ上で配付したらなにが違うだろうか? DVDと差をつけたいなら4Mbps以下の低いビットレートのムービーデータにすればよい。CMなんてとばす人は必ずとばすし,繰り返し観られる可能性があがる分,CMを観てもらえる可能性も高まり,広告主としてもいまのテレビより意味があるだろう。ネットに接続された新しい,ティーボ(TiVo)のようなテレビを家電メーカーが売り,そのような番組を配信し続けるサイトからどんどこ番組を落とし続け,観たい番組をユーザーが気軽に観られるようになれば。そのサイトが,新しい,テレビ局として機能する。そんな,テレビがある社会,すぐにできそうだよねぇ。



 
[2005.07.28]
  陽射しと花びらの閃き


 ▼Did Microsoft wipe Apple off map?(San Francisco Examiner)【英語】
  http://www.sfexaminer.com/articles/2005/07/26/business/20050726_bu03_microsoft.txt


 USATODAY.comの記事は,現在のアップル社の上空写真と,まだなにもない頃の上空写真を並べている。でも,米国全体の航空写真をみていて,この変化に気付く人は果たしてどんな人なんだろう。

quote:ソフトウェアのライバルとして,マイクロソフト社アップル社を消したがっている? マイクロソフトが始めた新しい衛星写真のサービスでは,シリコンバレーのアップル社の部分は,得体の知れない倉庫と駐車場が広がっている。マイクロソフト社は写真が古いことを非難している。この風景はビル・ゲイツの頭のなかのファンタジーなんだろうか? マイクロソフト社は新しい写真を購入することを述べている。

 グーグル・マップによって空から観た地球はどんな感じだったかと云うと,結構動きなんてないものなんだなということだった。もちろんみられるのは静止画像なんだから動きなんてあるわけないけど,1分1秒競うように世界は動いているように感じさせても,でも,地表はなにごともなく,いつもの通りでしかない。たぶん数年前の風景だろうグーグル・マップの画像は,さしてどこが変わったのかはわからず,もし変わっていても,たいしたことなんてない違いでしかない,と思う。

 みつかった星は,本当に「☆」の形をしていたのです。地球の上で暮らしている人が地球が丸いことに気付かないように,もちろんその星の上で暮らしている人も足下の星が「☆」の形をしていることは知りません。でも,気付かないうちに,その星の人たちはその星の形から影響を受けて,どうやら心はトゲトゲしているのです。ちょうど,5つのトゲがある感じで。もしかしたら,地球が丸かったのは,奇跡的なラッキーだったのかもしれません。もし地球が「☆」のような形をしていたら,もうこんな星はあっさりなくなってたのかもしれませんし。(refer to 『地球Merry-Go-Round/植田佳奈』)



 
[2005.07.26]
  SNSの正しい使い方


 ▼Google drugs ring smashed(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/07/21/orkut_drugs/


 ネットワークに来たらあまりにも多人数いることで,ちょっと前まで恥ずかしかったことが恥ずかしくなくなってることもある。そのための人数を集めることができながら,それ以外の人たちとの接触は防げる,だからこそ,使い道があることもある。

quote:警察はグーグル社オーカット(orkut)でのチャットを監視したあとに,10人のブラジル人を麻薬乱用の容疑で逮捕した。ロイターは,オーカットを使用して麻薬の販売を行っていたと伝えている。オーストラリア国立大学の教授であるロジャー・クラーク氏は昨年,プライバシーを理由としてそのようなサービスの利用について警告を行った。

 なるほど。いくつかあるソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)はちょっと隠れて悪いことするのにももってこいなのね。まぁマリファナやエクスタシー程度を売ったからって逮捕なんかしても,世の中さして変わらない気もするけど,オーカットは基本的には本名以外禁止で,匿名者には情報を求めると云うSNSであり,ハデハデしく悪事を働くこともできないとも思うけど。…となると。日本を含めたあちこちのSNSは,あれこれしたい人にとってあれこれ都合のよい場所になりそうな。

 きいた話だと,一部のSNSではゲイの人たちのコミュニティが活発なんだという。不用意に見知らぬ人と接せずにすみ,ちょっと距離をおける場所となるので,やっぱり都合がいい部分が大きいのだろう。人に話したら嫌な顔をされたことがある,というようなことがある人は,SNSに活動の場を求めるのも手なのかもしれない。まぁ個人的には,ネットワーク内で寄り固まって隠れてもあまり意味はないと思うけど。



 
[2005.07.24]
  by, only, web.


 ▼Trees... from the Moon(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/magazine/4694361.stm


 偏った思想を持ったり,偏った考えも持ったりする人間を作るのは簡単だ。ちょっと前までの世の中は,偏ったテレビ局や偏った新聞が,そんな人間をたくさん作ることに成功していた。だが,いまはやっとそれらがなくてよくなった。もう,それらは全部なくしてよい。

quote:「彼ら」,月の樹たちは,1971年にアポロ14号に乗って月に旅した種から成長して,いま大きく育っている。いろんな疑問が浮かぶ。種は月への旅によって,なにか変化があっただろうか? 種からの育成は最初の2,3個が失敗したが,そのほかの種はいろいろな機関で発芽し,苗木となった。いくつかは1976年の米国200年祭の祝賀で植えられたりもしたが,その後の動向については取り上げられることは少なくなっている。結局,月への旅によって樹に変化があったかと云うと,なにも変化はなかったようだ。

 NASAのページに,この月の樹の説明と,現在行方がわかっているもののリストがまとめられている。そのリストをみると,普通の個人の土地に植えられているものもあったり,もういまは存在していないものもある(「Type of Tree」に「*」印が付いているもの)。説明のなかには,この月の樹のひとつが昭和天皇にも贈られたとあるけど,さてそれがどうなったかまでは記されていない。まぁ結局,月に旅したからといって,その種は地球上でなんの変化もない樹になって育っているので,あまり大きく取り上げられないのだろう。そりゃそうか。

 とかくなにかしらトピックがないと,ニュースとして取り上げられないことから,新聞とかテレビとか,すべてのメディアは,それ自体偏った,一部の情報でしかないのがわかる。つまりそれらだけから情報を得ていれば,頭の中が偏った人間ができあがる。もちろんBBCもそのひとつなんだけど,たとえBBCが月の樹の話を取り上げなくても,NASAのページにはその情報がある。ウェブには,うそや間違いもあるが,それも含めた情報の総括の場として,存在している。わたしたちは,そのなかから必要な情報を取捨選択して,得られる。この世の中には,テレビも新聞も存在する理由はないが,ウェブは必要,なのは,それが理由だ。



 
[2005.07.22]
  次・黙示録


 ▼Cellphone Sales Seen at Over 1 Billion(PC Magazine)【英語】
  http://www.pcmag.com/article2/0,1895,1839184,00.asp


 数学的には,1の次は2だが,世の中は1の次が2になるとは限らない。誰かの予想通りにも,進まない。

quote:ガートナー社によると,今年の携帯電話の販売は7億7900万台となり,2009年には1年間に10億4000万台となる。同社のアナリストは,携帯電話は地球上でもっともたくさん作られているコンシューマーデバイスだと述べる。ほかと比較すると,パソコンやテレビの販売は年2億台だ。市場としては中国とインドだけで2007年には2億台となり,特にインドは2009年に中国を抜いて1億3900万台となる。携帯電話の平均価格は2004年の174ドルから,2009年には161ドルになる。

 数年前のアニメをDVDとかで観ていると(現在テレビで放送されているアニメでもそうであることもあるが),なんか変だなと思うのは誰もネットワークも携帯電話も使っていないことだ。もちろん当時は全然普及してなかったんだから出てこなくて当然と云われればそうなんだけど,そりゃすぐ電話するかメールするだろと思うときにそれなしで都合よくお話が進んでいく。確かに,こんな普及は数年前の制作者は思ってもみなかっただろう。日本はインセンティブという不健全なシステムがそれを助長させたのでインチキだが,インセンティブのない地域でも普及しているのだから,総計としては正しい。

 いまテレビアニメを観ていると,一部をのぞくほとんどの作品で携帯電話が出てくる。たぶん数年後に観ても,デバイスの形状や通信システムについては古くさいと感じるだろうが,まぁすべきことはしていると云う感じでお話を受け止めてもらえるだろう。だが,次の変化はすぐにやってくる。その変化とは,なんだろう? デバイスのミニマム化による存在感の消失か,耳と口に当てるという持ち方の消失か,既存の通信システムからWi-Fiシステムへの移行か,エア・ディスプレイ(空中に表示される当人にだけみえるディスプレイ)の追加か? いずれどれも出てくるだろうが,次がどれか考えるのも,楽しい。



 
[2005.07.20]
  個人情報流出のキモ


 ▼Brein loses important P2P case(afterdawn.com)【英語】
  http://www.afterdawn.com/news/archive/6634.cfm


 なにが大切か,が,狂っているから,そもそも事態が改善されることはない。

quote:著作権管理組織であるブレインがファイル共有者の情報を引き渡すようにプロバイダーを訴えていた裁判で,オランダの裁判官はその引き渡しに応じる必要はないと判決をくだした。裁判官は,オランダの法律が米国などと比べてプライバシーの保護が不十分であると判決に付け加えた。ブレインの管理者は,上訴して裁判を継続すると述べた。

 やや古いニュースなんだけど(約1週間ほど前),大切だと思うので記録しておく。著作権が大事か,個人のプライバシーが大事か,という裁判でプライバシーが優先されたということだ。まぁ真っ当な人間が裁判官をやっていればこんな結果が出るだろう。どっかの国の一部のプロバイダーみたいに,変な人間の小銭を守ることがおかしいことでないと毒されていたりすると,云われたままに個人情報を渡してしまったりする。そういうおかしなことと関わり合いにならないように,このような判決はきちんとおぼえておいた方がよいだろう。

 国内でも,個人情報流出なんてニュースが作り話ではないかと思うほど続いている。いま,日本のGoogeニュースで「個人情報」で検索すると,2220件もヒットした。そのなかで気になったが,個人情報が記された書類が盗まれたとか,個人情報が入ったパソコンが盗まれたとか云っているもののほとんどは,うそである。世の中そんなにピンポイントで,今はやりの個人情報に当たるほど運のいい泥棒がいたらたまらない。盗まれたと云っているニュースのほとんどは,不始末による紛失や能力不足による流出である。まぁそれ以前にオランダの裁判官のように,個人情報の保護について真っ当な見識が浸透するまでは,それらのニュースの流れが消えることはないだろけどね。



 
[2005.07.18]
  nExt dIsh


 ▼Faster connections always bring major changes(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/columnist/andrewkantor/2005-07-15-fast-connections_x.htm


 電話はIP電話でもう食った。ラジオもネットラジオでもう食った。CD屋もiTMSでもう食った。次に食うのは,なんだろね。

quote:アンドリュー・カンター氏のコラム。ある小さな電子通信会社はクールなことをしている。それはIPTVサービスだ。IP電話やインターネット接続の線でテレビ放送を送るのだ。DVD品質のテレビ放送を送るには,どれだけの帯域幅が必要か? 答えは3〜3.5Mbps。新規に提供されているADSL2+なら22Mbpsなので,ハブでわけて複数の部屋で異なったテレビ番組を観ても十分だ。モデムからブロードバングへの移行は,物事を劇的に変える。あなたが4.7GBのDVDをダウンロードしようとしたとき,56Kモデムでは186時間かかり,非常に速いケーブルテレビ接続でも2時間以上かかる。だが次世代のインターネット2のバックボーンとなるアビリーンネットワークでは,5秒未満だ。

 もう少し引用を続けよう。マサチューセッツ工科大学2年のウェイン・チャン氏はアビリーンで動作するP2Pソフトのthe i2hubを作った。the i2hubは,現在400以上の大学を接続している。学生はそれが大好きだ。そして音楽と映画を共有している。米国外との接続はやや遅くなるが,それでも歌1曲は数秒,DVD映画も数分だ。レコード産業は進行中の何百もの訴訟でPR活動を行っているが,それは小石を機関車に投げつけているようなもの。数人の乗客をこわがらせて誰かを傷つけるかもしれないが,列車を止めることはできない。アビリーンが一般に浸透し始めたとき,すべてが変わる,再び。と,ここまでが引用。米国はまだ日本ほどブロードバンドが普及していないので違和感があるかもしれないが,すでにその先にあるインターネット2に憧憬がつのっている。

 テレビなんかのために東京タワーのようなでかいアンテナを立てたり,わざわざ宇宙船を打ち上げるなんて,すべて金のムダだ。100年後の世界ではすべてのテレビ放送はIPTVとなっている。実際のところ,IP網に移行できるものはすべて移行する。すべてのメディアは当然のこと,もうすでに一部は始まっているが,なにかを売る販売店も,学校も,企業も,ネットワーク上を中心に活動していないなんて珍しい存在となる。冗談を云っていると思っている人がいるだろうか? まったく冗談ではない。ネットワークは,すべてを食い尽くす。食えないものなど,ほんのわずかしか残らない。アビリーンをスピード狂時代だと記事の見出しは云うが,ある程度のスピードがあれば,あとはオマケでしかない。すべてを食い尽くすには,もう十分なのである。さて,次のディッシュはなにかな?



 
[2005.07.16]
  MP3が,すべてだった


 ▼MP3 is ten years old today(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/07/14/mp3_tenth_birthday/


 人間なら10歳と云うとまだガキだけど,流れの速いネットワークの世界ではもう中年並みだ。だが,まだまだ十分すぎるほどに働いてくれている。

quote:MP3は,10歳になった。そう,1995年7月14日,ドイツのフラウンホーファー研究所は,MPEG標準のオーディオレイヤー3に使う拡張子を「.mp3」に決めた。そしてMP3は当時のままで,DRMを付け加えられることなくそのままだ。より進んでいると云われるコーデックが現われ,DRMをサポートするフォーマットも出てきているが,MP3が近いうちになくなりそうな兆候はない。The Registerの記事がとりあげた最初のMP3のストーリーは,1998年9月14日,MP3プレイヤーのリオ300がMP3.comから公認で曲をダウンロードできるというものだった。

 このサイトを起動した頃(1999年6月)は,よくネットをうろうろしている人ならMP3はそんな珍しい存在でもなかった。ナップスターでバコバコMP3を落とすことができたし,PC環境ではウインアンプのようなMP3プレイヤーがボコボコ出ていた。わたしのようなマックユーザーにとってはプレイヤーソフトも携帯プレイヤーもほとんど数がなかったが,その頃からちょうど,マックでも使えるリオ500も出て(過去記事),MP3プレイヤーソフトもじょじょに増えてきた。

 いま,自分のハードディスクの中身をみると,音楽・音声はすべてMP3だし,動画ファイルもそのなかのオーディオは全部MP3だったりする。マックでも楽に使える可逆圧縮形式があればよいとは思うのだけど,でもなんどもこの欄で云っているように,わたし自身がMP3以上の高音質を持っているファイル形式との違いが全然わからないのだから仕方ない。そう云えば,MP3より高音質だと云っていたオーディオ形式はどこにいったんだろう? そんなのをいまだに使っている人などいるのだろうか? 10年後も,いや,100年後も,MP3は残るが,WMAとかM4Pとかの拡張子は残らない。そんなファイルの再生方法など,誰も知らず,単なるゴミファイルとなる。だから,100年後も聴いてもらうための音楽を作るには,MP3にしておくしか,方法はないのだ。これは,間違いない。



 
[2005.07.14]
  バカ以外に必要なもの


 ▼Arizona school trade textbooks for laptops(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/techinnovations/2005-07-11-wirless-high-school_x.htm


 「教科書をわざと忘れて,隣の席の好きな女の子と机をくっつけることもできないのか。やっぱりやめた方がいいんぢゃないか,これ」「ぉぃ。勝手なこと云ってんなよ」。

quote:アリゾナ州ベイルの公立高校の350人の生徒はこの秋から,誰もいままでのような教科書を持たない。代わりに,ラップトップパソコンと,デジタル化されたものとオンライン上の教科書を使用する。これにはややお金がかかり,1台850ドルのラップトップパソコンを350人の生徒全員に配り,教科書ワンセットも500〜600ドルかかる。だが,デジタル化された教科書は以前の教科書よりも,生徒がより勉強に没頭すると観察されている。

 このサイトのいつもの見方をするなら,教科書なんか真っ先にデジタルファイル化した方がよいし,オンラインのウェブページなどをいつでもアクセスできる道具として使えば,生徒の発言や疑問も提案もすべて受け入れることができるようになろう。金銭的に可能であるなら,日本でもすぐにでも行うべきことである。記事は高校生の話だが,小・中学生だってすぐにそれを使いこなすだろう。何年経ってもそれが行われないようだと,この国にもよっぽどバカな大人しかいない証拠とみてとれる。

 「しかしあれだな」「なんだよ」「そんなことされたら,どぉやって先生の目をかいくぐって教科書を学校に置いていくかできなくなるな」「あ〜,まぁみんな置いていくのが普通と云えば普通だけど」「教科書を忘れるなんて,きちんと持って帰ってる奴しかするわけがないし」「ノートパソコンだとどれかの教科の教科書だけ忘れてくるってことはないか。さらにオンライン上の教科書だと忘れようもない。しかし,パソコンの教科書の方が熱心に勉強するってのはホントかね」「生徒としちゃあ1年間自由にできるパソコンを持てるんだからありがたいこっちゃだろ。エロサイトも見放題,エロゲも入れ放題」「そういうこと云うとバカな大人が喜ぶだけだからやめとけって」。



 
[2005.07.12]
  DVDA楽日


 ▼DVD-Audio Copy Protection Defeated via WinDVD Software Hack(HIGHFIDELITYREVIEW.COM)【英語】
  http://www.highfidelityreview.com/news/news.asp?newsnumber=14550899


 楽日とは云え,終わりではない。これから始まるのだ。

quote:音楽業界は,DVDオーディオのデータがリッピングできるというニュースにおろおろしている。このリッピングはDVDプレイヤーソフトのWinDVDにパッチを当てて行われる。3つのソフトからなり,プロテクト保護されたデータを解読する「DVDAリッパー」,DVDオーディオのデータをWAVEファイルとして捕まえる「PPCMリッパー」,そしてユーザーがDVDオーディオのトラック構造をみられるようにする「DVDAエクスプローラ」だ。

 そのソフトは一時的にRarewaresに掲載されていたが,早くもRIAAから電話があって削除させられたとafterdawn.comの記事にある。そのなかでRarewaresの管理人も云っているが,たった2日ほど掲載しただけでウェブ上のミラーやトレントサイトなどでの増殖ぶりはすごかったらしい。たぶんあなたも,そのファイルをみつけられるだろう。

 わたしはDVDオーディオなるものを手に取ったことがないし,WinDVDも手元にないので,このDVDオーディオツールをまだ試してない。が,RIAAのアホみたいな動きの早さは,たぶん本物だと云うことなのだろう。とは云えDVDビデオに比べるとまだいろいろと問題点があり,解決しなければいけないことも多い。DVDオーディオがこれから普及するのかどうかはわからないけど,iTMSのように自由に使えるように準備をしておく必要はあるかもしれない。(



 
[2005.07.10]
  ひとつの事件とブログと


 ▼Bloggers rush to post eyewitness accounts(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/world/2005-07-07-london-blogs_x.htm/


 ブログが社会を表すのではなく,ブログ自体がひとつの社会となっていた,そんな,7月7日。

quote:ロンドンでの爆破テロの後,1200万ものウェブログの更新を追跡しているテクノラティ社は前日の30%増の更新があったことを公表した。同サイトでもっとも検索が多かったキーワード20個のうち,16個はロンドンでの事件に関連するものだった。米国同時多発テロのころには,ウェブには10万のブログしかなかった。今回はそれが大きく広がり,フリッカー・コムのような写真のホストサイトには,爆発が起きた数分後の電車内の写真も含まれていた。

 個人的なことだけど,わたしが今回の爆破テロのことを最初に知ったのはフリッカーだった。誰かがアップした写真がリロードごとに出てくるページをたまたまみていて,なんかニュースが起きたような英国のテレビ画面を撮影したような写真や,地下鉄の入り口が封鎖されているような写真が目に付いて(picpic),それでニュースサイトで知ったという感じだった。その後,「ロンドン」というタグが付いている写真をみたりして(いまはもう事件に関する写真は少ない),五輪開催から急転直下を受けたような英国の情報を仕入れていた。

 たとえニュースサイトにまとまった情報がなくとも,どこかのブログでこの話が出ていただろう。それらによって,前日より30%も多い更新量になったと思われる。もちろんブログは,その内容が間違いのない真実だとすぐに思うことはできないけど,今回はひとつの事件が波を起こして,ネットワークを駆け抜けたのを体感できた。遠い島国の日本でも多少はこの事件にふれたブログもあったようで,もし身近で起きていたら,ネットワークがどのように動くか想像が広がる。…ブログは,定着したのかもしれない。米国同時多発テロのときにはなかったものが,すでにできているのかもしれない。それがある社会では,今回の事件のように情報が波となることを知ることができた。もっとブログが定着することで,その波はより精度を持つだろう。それがある社会と,ない社会では,生き方にも変化が起きるはずだ。なにを軸として生きるべきか,そろそろきちんと変えてもよいだろう。



 
[2005.07.08]
  オペラの喝采


 ▼Opera bakes in BitTorrent(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/07/07/opera_does_bittorrent/


 「わたしたちは,誰かが著作権違反をして違法ファイルを共有することを奨励してはいない」とオペラ社の担当者は云う。だが,あの判決からわずか1週間後のこのリリースは,かなりのあざけり笑いが聴こえてくるようだが?

quote:オペラ社は自社のブラウザにビットトレントの機能を付け加えたテクニカル・プレビューをリリースした。つまり,オペラ・ブラウザを使っていれば,ほかのビットトレント・クライアントを起動しなくても,オペラだけでファイルのダウンロードと共有ができるのだ。消息不明者は,オペラのビットトレント機能がトラッカーレスでのファイル共有の基本的な事項をおさえていると述べている。

 日本人ではそうでもないかもしれないが,ビットトレントの広がりはすさまじいものがある。あまりパソコンを知らない人のパソコンでも,すぐにウェブブラウザとメールソフト,そしてビットトレント・クライアントはみつかるものだ。それくらい,一般的なものとして認知を受けた。オペラは,ゴーファーやユーズネットのように,ブラウザが取り込んでいくひとつとしてビットトレントをあげ,すぐにこのテクニカル・プレビューに組み込んだ。

 オペラブラウザをメインで使うかは,シェアウェアと云うこともあって微妙だと思うが,あちらこちらのトレントファイルの拡散には役に立つかもしれない。もともと情報の価値に違いはなく,単なるテキストであろうと,音楽ファイルであろうと,ソフトウェアであろうと,それらは全部同じものでしかなく,ブラウザはその情報を得るための道具としてある。ちなみに新しいオペラを起動しても著作権が面倒なファイルは共有しないようにとちょっとだけ出るけど,特に気にならずにブラウザとしてもビットトレント・クライアントとしても動作する。最初に忠告だけしておけばそれでよいと云ったが(過去記事),それとまったく同じことしかしてなく,どんなファイルをやり取りするかはユーザーの意思のみに責任がある。では,あのグロックスターとストリームキャストに対する判決は,いったいなんだったのか? かなりおかしな,ねじ曲がった社会が眼前に寝そべっているのが,みえてきている。



 
[2005.07.06]
  ぃしょ。


 ▼Japan to monitor Net sites(p2pnet.net)【英語】
  http://p2pnet.net/story/5410


 中国をはた目でみているから多くの日本人は知っているだろうが,ネットワークは,コントロールできない。コントロールしたがる人間は湧いて出てくるが,鼻摘み者としてお払い箱になるのを待っていれば,すぐにそうなる。

quote:オンラインによる危険が増しているとして日本の政府は,グループ自殺や手製爆弾などの有害な情報を出さないようにするための処置を講ずると,読売新聞を引用するSiliconValley.comが報じている。提案された処置のひとつは,プロバイダーが自殺を助長しているサイトの情報の提供を行ない,警察による情報のモニタリングも含む。

 とは云え,ネットを監視したからと云って,いったいどんな悪事を防げると云うのだろう,と思うのは当然のこと。死のうと思っている奴の自殺を止めたって,たいして世の中の役に立つわけではない。そんなことは世の中の吹きだまりの集まりである政治家が雁首そろえて処置を施すべきことではない。

 自殺を防ぐ? 死にたい奴は死なせばいいぢゃないか? もしかしたらp2pnet.netの意見はちょっと異なると思うが,それが(正直を尽くした)真っ当な見解であり,そこに他人がしゃしゃり出てきても傍迷惑なだけだ。ネット上で,人を殺すための爆弾の作り方が書いてある場所など探せばすぐみつかるが,すぐに作るわけではない。使うなら,ある程度の覚悟ができてから派手にやった方がいい。たとえば,ねぇ。



 
[2005.07.04]
  あしたのファイル共有


 ▼Despite reports, Grokster decision is a win for file sharing(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/columnist/andrewkantor/2005-07-01-grokster-decision_x.htm


 流通していても利用しないファイルは山ほどある。なぜ,利用するのか,には,理由がある。たとえそれを犯罪者の理由と呼ぼうが,法律や,制限では,なにも変わらない。

quote:アンドリュー・カンター氏のコラム。最高裁のグロックスターとストリームキャストに対する判決は,結果的にファイル共有の勝利となる。そしてエンターテインメント産業にとっては損失となるだろう。米国レコード協会(RIAA)のヒラリー・ローゼン氏は勝利宣言をしたが,裁判所はファイル共有自体を悪とはしなかった点が重要だ。

 詰まる所,包丁を売るときには,この包丁で嫌いな奴を殺しましょう,と売ってはいけない,と云うことである。そんな当たり前のことを述べただけの判決であり,別におかしな判決でもない。とは云え,実際のところどぉすれば著作権侵害を奨励する活発なステップを踏むことになるのかがさっぱりわからないので難しいのだが(いままでのグロックスターとストリームキャストの行動しか判断基準がない),ともかく,DVDビデオをプレイヤーに入れたときに表示される注意書きみたいのをファイル共有ソフトの初回起動時に出して,「はい」を押させとけば十分だろう。だってアンドリュー・カンターが云っているように,ファイル共有自体を悪だとはしてなく,グロックスターとストリームキャストに悪いところがあった,と云う判決でしかないのだから。

 それよりも,もっと知っておくべきことがある。スウェーデンがいままでよりちょっと厳しい著作権法を制定したが,ファイル共有に反対するグループの代表者は述べる(afterdown.comの記事)。「法律自体がなにかを変えることはない」。どんな法律があろうとも,戦争がおこれば人殺しをする人も出てくるし略奪も行われる。現状がマトモであれば,なにか面倒なことをすることもない。だが実際は,ユーザーは現在の音楽販売のシステムの不備に開いた口がふさがらない状態であり,それは一朝一夕では解決しないかもしれない。だが,解決する気がないなら,どんな法律も圧制もコピープロテクトCDのときのように役に立たず,ファイルはより活発に流通する。Winnyひとつを潰しても,みえないところでいくらでもファイルはやり取りされ続ける。それを止める術は,ネットワーク自体を破壊するしか,ない。それができないとわかっているなら,まともな解決策を模索している姿勢だけでも示すべきだが。さて。



 
[2005.07.02]
  痛みと意味


 ▼Apple feels Intel chill(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/06/27/macintel_chill/


 痛みのない変化などない。ただ企業は,できる限りユーザーに痛みを負わせないように進む必要がある,のだが。

quote:米国のマックワールド誌の調査によると,読者の1/3がこれからの1年間に新しいマックを買わないとした。不思議なことに13%は,パワーPCのマックを買うと云う。The Registerのフィードバックからみると,たぶん買う読者はG5をすぐに仕事で使う職種の人だ。価格カットの兆候は,まだアップルからない。しかし米国アップルは,保障制度の促進を始めた。

 そのマックワールドの調査をみると,買うことが減ると答えた人が33%,変わらないという人が54%,買うと答えた人が13%。インテルチップになることでいままでより,マシンが速く,そして安くなるかとの問いには,29%が両方そうなる,28%がどうなるかわからない,18%は速くはなる,15%は安くはなる,10%はどちらもそうならない。まぁもともとマックユーザーなんだから悪く云う人は少ないだろうと思うのだけど,そう考えと29%しかCPUの両方の向上を認めていない,そしてほぼ同数のわからないと云う人がいる,というのは,やや微妙な気がする。インテルへの移行を,手放しで喜んでいる人は少ないと考えて間違いないだろう。

 もちろん全面的に移行が完了してしまえばなにも問題はないんだけど,みんなの使っているマックが1年以内に全部壊れるわけではない。いま使われているマックはもうすでに過去のものでしかなく,いまから店に行って,その過去のものを買う人は少なくて当然だ。記事にもあるが,在庫処分に近い値下げはあるだろう。CPUが変わっただけでなにも痛みはないとジョブズ氏は云うが,そんなことはあり得ない。だから,この移行は,大きく,そして意味を持てる材料になるかもしれないのだ,が。さて,その意味は,なにかな。



PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル